こどもの頃 NHKで観た「ピノッキオの冒険」1972

ネタバレ含みます。50年以上も前の記憶なので、覚え違いが多々あるかと思いますが、ご了承ください。
こどもの頃に観て忘れられないドラマ
毎年、夏になると思い出す外国の昔のドラマがあります。こどもの頃にテレビで観た、イタリアの実写版ドラマ「ピノッキオの冒険」です。幼かった私は虜になり、長い年月を経ても、ずっと忘れることのできない作品の一つです。
1970年代前半に日本でもNHKで放映され、私の遠い昔の記憶の中の映像は、セピア色でノスタルジックでした。貧しいジェペット爺さんの深い愛と、無垢で無邪気なバンビーノ(少年)のピノッキオの二人の物語、自分たちが生きている実社会とは異なる、不思議で夢を見ているような世界でした。当時夢中になって観たこどもは、私以外にも多くいたと思います。こどもたちがロバになってしまうなど、こどのも私には怖い場面もありました。また、ドラマの挿入歌で流れるメロディーは牧歌的で、優しくもどこか哀愁を帯びた調べで、心に残っていました。
監督: ルイジ・コメンチーニ 原作: カルロ・コッローディ 音楽: フィオレンツォ・カルピ 出演: アンドレア・ブレスティ(ピノッキオ)/ニーノ・マンフレディ(ジェペット爺さん)/ジーナ・ロロブリジーダ(妖精)
NHKで1972年に放映か、1974年なのか
まだビデオデッキも無く、録画など出来なかった時代です。テレビにかじりついて観ました。私の記憶では、自分が小学校1年生と2年生の夏休みの夕暮れ時でした。自宅でNHKで2度に渡って観たと覚えています。それは1972年と1973年だったと記憶しています。1年生の夏休みに観て、また翌年の夏休み時期に再放送があり、同じドラマを観たのです。ウイキペディアや他の方のブログなどを拝見しますと、NHKでの日本放映は1974年と書かれている方ばかりでした。私の記憶が違っているのでしょうか。
また、どなたの書き込みでも「夏休みに観た」や、「2年に渡って放送、再放送していた」と書いている方は見当たりませんでした。観ていた季節さえも間違った記憶だとしたら、相当なボケです。再放送されていたのは、まさか、幻・・・?!ではないと思うのですが、同じような経験があり覚えている方がいらしたら、教えてほしいものです。何十年も前の記憶なので、年数が経つにつれて、いつの間にか記憶がすり替わってしまった可能性もあります。でも、確かに2回観ました。
小学生の私は、初めて観たイタリアドラマの風景と映像、メロディー、魅力溢れる出演者たちに惹かれ、夢中で観ました。薄暗い空、ヨーロッパの古いイタリアの風景、優しく貧しいジェペット爺さん、木製りの人形のピノッキオはリアルで哀愁があり、本当に生きている人形のようでした。小さな頃から絵本や童話が大好きだった私は、「ピノッキオの冒険」の世界観に入り込んでいました。
心に残るシーン
なんと言っても何十年も忘れられなかったのは、ピノッキオが巨大なクジラに飲み込まれ、お腹の中でジェペット爺さんと再会して二人で過ごすシーンです。(このドラマでは巨大なクジラだったと信じていますが、コッローディの原作ではサメです。ディズニーのピノキオがクジラだったと言われていますが、こどもの私は巨大なクジラだと思ってドラマを観ていました。)
こどもの時に観た映像は、クジラのお腹の中がとても大きく、本物のようにリアルで驚愕しました。海水がクジラのお腹にザッブーン!と入ってきてしまうシーンも、目に焼き付いています。怖かった記憶はなく、離れ離れだった二人がクジラのお腹の中で再会する場面だったので、幸せな気分になっていました。ジェペット爺さんと少年のピノッキオが大好きでした。何十年も前の映像ですが、今でもはっきりと覚えているクジラのお腹のシーンです。
また、こどもたちが好きなことだけしていればいい「おもちゃの国」に行って、ロバになってしまうシーンはショッキングでした。
再々放映してくれなかったNHK
そしてまた1年が経ち、私が小学3年生(推定)の夏休みがやってきました。こどものわたしは1年後の夏が来るのを楽しみにずっと待っていました。NHKがまたその年も「ピノッキオの冒険」を再放映してくれると思っていたのです。毎日テレビをつけて待ちました。けれども、何日待っても、残念なことにNHKは二度と放映してはくれませんでした。当時のショックは忘れられません。しばらく長いこと、諦めきれませんでした。どうしても、もう一度観たいと願う、良い作品だったのです。そのうち、いつの間にか諦めました。
海外制作のドラマの場合、放映権などの問題で放映が難しくなるのでしょうか。もう二度と日本のテレビで観れる日はないのでしょうか。いつの日かまた、日本で再放映してくれることを切に願っております。
DVD-BOX
大人になってからも、こどもの時に観た実写版の「ピノッキオの冒険」のことは時々想い出していました。でも、もう観れることはないのだろうと諦めていました。
ところが、数年前の前の夏にふと思い出し、ネットで検索してみましたら、AmazonでDVDセットが販売されているのを見つけました。何十年も経っていましたが、これがあの作品だろうと、すぐに分かりました。即購入したいところでしたが、値段は覚えていないのですが、これが信じられないくらいの高値で販売されていて・・・プレミアム価格でしょうか。貴重な品物ですものね。庶民の私にはとても手が届きませんでした。
現在もAmazonで中古のDVD3枚組のセットが販売されていますが、2025年8月3日現在の価格は、中古品で¥39,800です。購入出来る方は羨ましいです。
海外版はもっとお安くあるようですが、正規品かどうかわかりません。実際の所はどうなのでしょうか。
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価格¥39,800-出荷元・販売元【映像.com】-(2025年8月3日現在)

再会
この夏、たまたまYouTubeで52年前のこのドラマを発見しました。
間違いなく、わたしが幼い頃、観たドラマのシリーズでした。(T_T)
美しい映像も美しいメロディーも記憶のままでした。今観ても色褪せることない、素敵な物語で、何十年ぶりにずっと会いたかったドラマに再会できて、感動しました。挿入曲を聞いた途端、こどもの頃の、あの夏の日の記憶が蘇りました。
「ピノーキオ!ピノーキオ!」
と、独特なイントネーションで叫ぶゼペット爺さん。忘れられない記憶のままでした。驚いたのは、ジェペット爺さんが思っていたより、若いお爺さんだった、ということです。
ピノッキオは私の思い出通り、やんちゃだけれどとても可愛く、本物のピノッキオらしい、ピノッキオになるために生まれてきたような子役の少年でした。監督がこの子しかいない!と配役を決めたということに納得します。
まとめと感想
52年ぶりに、「ピノッキオの冒険」を観ることが出来ました。やっと観れたのが今、夏の季節だということも感慨深いです。自分のこども時代が懐かしくなりました。
現代ののこどもたちが観ても、映像はリアルに感じられ、感動出来るのではないでしょうか。このドラマがいつか、日本のテレビやどこかの動画配信サイトで配信されて観れる日が来てほしいです。
追記:調べれば調べるほど、日本でのNHKでの放映は1974年だったようです。1972年と1973年に観た、というのはどうやら私の思い違いだったようです。。